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【コラム】FSSC22000_Ver.6 は何が変わったの?第5回『2.5.8 食品安全及び品質文化』の解説

Date:2023.09.11

みなさんこんにちは!山田です。FSSC22000ver6の変更内容についての解説シリーズ、第5回目は『2.5.8 食品安全及び品質文化』について解説します☆
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【規格要求事項の翻訳】
2.5.8 食品安全及び品質文化(全てのフードチェーンカテゴリ)
a) ISO 22000:2018の5.1項に従い、それに加えて、前向きな食品安全及び品質文化を育むことへの組織のコミットメントの一環として、経営陣は、マネジメントシステムの一部として食品安全及び品質文化目標を確立し、実施し、維持しなければならない。この目標は最低でも次の要素に対応しなければならない。
  • コミュニケーション
  • 教育訓練
  • 従業員フィードバック及びエンゲージメント(貢献意欲)
  • 食品安全及び品質に影響を与える組織の全ての部署を対象とする、定めらた活動のパフォーマンス測定
b) 目標は、ターゲット及び時間軸と共に、文書化した食品安全及び品質文化計画によって支持されなければならず、また、マネジメントレビュー、並びに、マネジメントシステムの継続的改善プロセスに含まれなければならない。
 
 
【変更点の解説】
2.5.8 は、すべてのフードチェーンカテゴリに対する新しい要求事項です。
食品安全文化は、Ver.6.0 で追加要求事項として明文化され、食品安全だけでなく品質も含めてマネジメントシステムの中で運用することが要求されます。
 
 a)については、経営者のコミットメントを実証する事例としてマネジメントシステム内で実績が継続的に存在していることが求められます。これには以下のようなことが含まれます。
  •  コミュニケーション
    食品安全方針、品質方針を設定し、経営層から従業員へ周知する
  • 教育訓練
    全従業員を対象とする食品安全、品質の基礎的な教育や、必要な役割に応じた教育訓練
  • 従業員フィードバック及びエンゲージメント(貢献意欲)
    各層の従業員から必要な情報(問題や提案等)が会社に報告されており、またすべての従業員に自分の役割が認識され実行されている
  • 食品安全及び品質に影響を与える組織の全ての部署を対象とする、定められた活動のパフォーマンス測定
    関連するすべての部署を対象とする、総合的な活動のパフォーマンス(顧客からの苦情、社内ルールや手順の順守、食品安全方針、品質方針、生産性)などを評価する

 
b) 目標管理については、明確なターゲットを設定し、達成に向けた時間管理を含む計画(計画管理表等)が作成され、運用されていることが求められます。また文書化要求事項なので、目標の進捗を年間計画のように整理し、定期的に進捗をレビューし記録を残すことが求められます。またその内容はマネジメントシステムの継続的改善のプロセスとしてまとめ、マネジメントレビューへインプットします。

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