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【コラム】FSSC22000_Ver.6 は何が変わったの?第3回『2.5.6 アレルゲンの管理』の解説

Date:2023.08.26

みなさんこんにちは!山田です。FSSC22000ver6の変更内容についての解説シリーズ、第3回目は『2.5.6 アレルゲンの管理』について解説します☆
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【規格要求事項の翻訳】
2.5.6 アレルゲンの管理(全てのフードチェーンカテゴリ)
組織は、次を含む、文書化したアレルゲンの管理計画を策定しなければならない。
  1. 原料及び最終製品中のアレルゲンを含む、サイトで取り扱われる全てのアレルゲンの一覧
  2. 潜在的なアレルゲン交差汚染源の全てを対象としたリスク評価
  3. リスク評価の結果に基づく、交差汚染のリスクを低減又は除去するための管理手段の特定及び実施
  4. これらの管理手段の妥当性確認及び検証を行い、文書化した情報として維持しなければならない。異なるアレルゲンプロファイルをもつ複数の製品が同一の製造区域で製造される場合、リスクに基づく頻度で、例えば、表面検査、空気のサンプリング及び/又は製品試験といった検証試験を実施しなければならない。
  5. 全ての必要な管理手段を効果的に実施したにもかかわらず、リスク評価の結果、アレルゲン交差汚染が消費者へのリスクとして特定された場合に限り、予防的ラベル又は警告ラベルが使用されなければならない。警告ラベルの適用によって、組織が、必要なアレルゲン管理手段又は検証試験の実施を免除されることはない。
  6. 全ての人員が、アレルゲンに対する意識向上トレーニング、及び、各々の作業分野に関係するアレルゲン管理手段に関する固有のトレーニングを受けなければならない。
  7. 最低でも年1回、並びに、食品安全に影響を与える重大な変更、又はアレルゲンに起因する、組織によるパブリックリコール又は製品回収の後、あるいは、業界の傾向が、類似製品のアレルゲンに関わる汚染を示す場合に、アレルゲンの管理計画をレビューしなければならない。このレビューには、実施中の管理手段の有効性、及び、追加的手段の必要性の評価を含めなければならない。検証データは傾向を見なければならず、また、レビューのインプットとして使用しなければならない。
  8. フードチェーンカテゴリDについては、販売国に動物用飼料に関するアレルゲン関連法令がない場合は、動物用飼料にアレルゲンの状態に関する主張がされていない限り、スキーム要求事項のこのセクションを「不適用」としてもよい。

【変更点の解説】
2.5.6では、重要性が高い項目の要求事項の内容が、さらに具体的になりましたね。
  1. 今現在の最新情報をリスト化し文書化してください。原材料や最終製品に変化があった場合、適宜最新版に更新しましょう。
  2. 変更なし。
  3. 変更なし。(文書の追加はありますが、実質的には変更なし)
  4. アレルゲンの交差汚染予防、防止のための管理手段について、妥当性確認と検証を行い、結果を文書化した情報(記録)として維持(保管)する必要があります。異なるアレルゲンが含まれている製品が、同一の製造区域で製造される場合、リスクに基づく頻度で、検証試験を実施しなければなりません。具体的には、表面検査、空気のサンプリング、製品試験といった検査になります。
  5. e項目については、食品を製造する際に混入防止策の徹底を図っても混入の可能性を排除できない場合の注意喚起表示に関連する要求事項です。混入防止対策の徹底を図っても混入の可能性を排除できない場合に限り、「本品製造工場では○○(特定原材料等の名称)を含む製品を生産しています。」のように注意喚起表示を行うことが必要となります。ただし、注意喚起表示を適用したからといって、組織が必要なアレルゲン管理手段や検証試験を免除されることは決してありません。これは言うまでもありませんね。
  6. 全ての要員は、アレルゲンに対する意識向上トレーニング、及び、各々の作業分野に関係するアレルゲン管理手段に関する必要なトレーニングを受けなければなりません。以下はトレーニングの例(これは一例です)
    ・アレルゲンに対する意識向上トレーニング
    ・リスクや危害についての基礎知識の教育
    ・各々の作業分野に関係するアレルゲン管理手段に関する必要なトレーニング
    ・製造区域ごとのアレルゲン管理に関するS O P、S S O Pの教育とトレーニング
  7. 最低でも年1回は、アレルゲンの管理計画をレビュー(見直し)しなければなりません。このレビューには、実施中の管理手段の有効性の評価と、追加的手段の必要性の評価内容を含めなければなりません。検証データ(アレルゲン検査データ)については傾向を分析評価する必要があり、レビューのインプットとして使用しなければなりません。またこのレビューは、食品安全に影響を与える重大な変更、又はアレルゲンに起因するパブリックリコール(公開リコール)又は製品回収の後、又は業界の傾向が、類似製品のアレルゲンに関わる汚染を示す場合には、その都度実施する必要があります。
  8. フードチェーンカテゴリD の動物飼料の製造事業者については、販売国に動物用飼料に関するアレルゲン関連法令がない場合は、動物用飼料にアレルゲンの状態に関する主張がされていない限り、スキーム要求事項のこのセクションを「不適用」とできます。

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