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【コラム】かまぼこ工場のHACCP#1 練り製品ならではの課題

Date:2025.07.24

 


■はじめに:練り製品ならではの課題に気づいていますか?




HACCP義務化から数年。多くのかまぼこ工場でも、HACCPの導入・運用が進み、記録や手順書も整備されてきたと思います。
 


しかし、私たちが現場支援に入る中で気づくのは、「練り製品ならではの課題」がHACCPに落とし込まれていない工場が意外と多いということです。

 


今回は、かまぼこ工場特有のポイントに絞って、HACCPで見落とされがちな点、現場の“あるある”、そして改善のヒントを整理してお届けします。

 

かまぼこ製造の“クセ”を理解せずにHACCPを組むと失敗する

 


HACCPの基本は「特有の危害要因を特定し、管理手段を明確にすること」です。  
しかし、かまぼこのような「加熱と冷却の両方にリスクがある製品」では、つい一般論で組んでしまい、肝心のリスクが管理されないケースが見られます。

 

たとえば…

 
  • 魚肉すり身の解凍:解凍時の温度は?解凍後の放置時間は?
     
  • らいかい・混合:温度と時間が品質に直結。しかも見落とされがち
     
  • 成型・成形後の坐り、置き時間:坐り置き時間の管理は?
     
  • 加熱(蒸し・焼き・揚げ):温度・時間・厚みで“火の通り”が全然違う
     
  • 冷却:粗熱取りから冷蔵までのスピードが、微生物リスクに直結
     
  • 包装前の持ち時間:非加熱エリアでの保管時間、室温管理、交差汚染対策
 

こうしたプロセスを「なんとなくの勘と経験」だけで処理している工場も、実はまだまだ多いのが現実です。

 

あるある①:CCPが「加熱温度」しかない!

 


多くのHACCPプランで、唯一のCCP(重要管理点)が「加熱温度・時間」になっています。  
もちろん、殺菌が目的である以上、加熱条件の設定と記録は極めて重要です。

 

しかし、次のような状況では…

 
 
  • ✅ 解凍したすり身が長時間放置されていたら?
     
  • ✅ 蒸した後に常温で30分以上放置されていたら?
     
  • ✅ 加熱後の冷却が遅く、中心温度が下がらないまま冷蔵庫に入っていたら?
 


加熱が適切でも、前後の管理が甘ければ意味がありません。

 


かまぼこ製品は「冷蔵保存が前提」でも、「要加熱食品」ではありません。  
黄色ブドウ球菌やリステリア属菌などの微生物的ハザードに対し、一貫した管理が求められます。

 

あるある②:「加熱後」の方が油断してる問題

 


意外と見落とされがちなのが「加熱後の工程」。  
「もう火が入ってるから安全でしょ」という思い込みがリスクを招きます。

 

加熱後のNG事例:

  • ⚠️ 製品台の上にラップなしで積まれている
     
  • ⚠️ 扇風機で冷却している
     
  • ⚠️ パートさんが手袋をせずに計量している
     
  • ⚠️ 保管場所の温度が26℃を超えている
 


加熱後はむしろ「汚染・増殖リスクとの勝負どころ」。  
気の緩みが、食中毒事故の引き金になります。

 

キーポイント:「時間と温度」の管理をHACCPに組み込む

 


微生物が増えやすい20~40℃の温度帯を、いかに短く通過させるか。  
これが、かまぼこHACCPの核心です。

 

チェックすべきポイント

  • ✅ 解凍すり身の使用期限は明確か?(例:解凍後〇時間以内)
     
  • ✅ 練りから成形までの工程間の時間は記録されているか?
     
  • ✅ 加熱終了後~包装までの冷却時間・室温は記録対象か?
     
  • ✅ 記録と実態は一致しているか?(形骸化していないか?)
 


記録がある=安心ではありません。  
HACCPの真価は「現場と一致」し、「改善が継続」していることです。

 
 

認証がなくてもHACCPは機能する

 


中小のかまぼこ工場では、  
「認証までは予算的に難しい」という声も少なくありません。

 


でもそれでも大丈夫。FSSC 22000やISO 22000は参考書・教科書として活用できます。  
認証を取らずとも、正しく構築・運用されていれば、十分信頼されるHACCPになります。

 

かまぼこ業界のHACCPは「本気度」が問われている

 


近年は、大手流通による監査の場面も増えています。

 

「HACCPはあるけど、記録だけ。現場の人が内容を理解していない」
 


形式的なHACCPは、いずれ見抜かれます。  
特に手作業や勘に頼る製品では、「紙だけHACCP」になりがちです。

 


でも逆に、現場が理解し、筋の通った仕組みがあるHACCPなら、認証がなくても信頼されます。

 

まとめ:HACCPは「人と工程」を見るツール

 


かまぼこのHACCPで本当に大事なのは、「人の動き」と「工程のスピード」です。

 


美しい蒲鉾ができていても、プロセスにリスクがあれば食品安全は成立しません。  
HACCPを「義務だから」から、「自信を持って出せる仕組み」に。

 


予算の都合で認証が難しくても、内容を真似するだけでも十分効果があります。  
大事なのは、正しく構築し、正しく運用する姿勢です。

 

ご相談ください:中身重視の現場支援はY&Kにお任せください

 


株式会社Y&Kコンサルティングでは、「認証は取らないけど、仕組みを良くしたい」という現場支援を得意としています。

 


形式ではなく本質を変えたいという方、ぜひご相談ください。


 

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