Date:2025.02.15
みなさん、こんにちは。今回のコラムのテーマは「フローチャート」です。
HACCPのフローダイヤグラムもフローチャートの部類ですよね。仕事の流れは可視化するためには、フローチャートはとても有効です。また、あらゆるビジネスに活用できます。
ビジネスの現場では、業務の流れを整理し、効率化を図るためのさまざまな手法が用いられています。その中でも「フローチャート」は、業務プロセスの可視化に役立つ強力なツールです。もともとはプログラム設計や製造業の工程管理などで使われてきましたが、近年では多くの業種で活用されるようになっています。
本コラムでは、フローチャートの基本的な概念から、さまざまなビジネスシーンでの活用方法、そして導入によるメリットまでを詳しく解説します。
1. フローチャートとは?
フローチャート(Flowchart)とは、業務の手順やプロセスを図式化したものです。業務の流れを矢印や記号を使って視覚的に表すことで、全体像を簡単に把握できるようになります。
(1)フローチャートの基本記号
フローチャートを作成する際には、一般的に以下のような記号が用いられます。
記号 |
名称 |
用途 |
○ |
端子(開始・終了) |
プロセスの開始点と終了点 |
□ |
処理 |
具体的な作業やアクション |
◆ |
判断 |
条件分岐(Yes / No など) |
→ |
矢印 |
流れを示す |
これらの記号を適切に組み合わせることで、業務プロセスを明確に表現できます。
2. フローチャートの活用方法
フローチャートは、ほぼすべての業界で応用可能な汎用性の高いツールです。ここでは、代表的なビジネスシーンでの活用方法を紹介します。
(1)業務の標準化とマニュアル作成
企業において、業務の標準化は非常に重要です。特に、新入社員の教育や業務の引き継ぎをスムーズに行うためには、明確な手順書が必要になります。
活用例:コールセンターの対応手順
コールセンターでは、顧客からの問い合わせに対して適切に対応する必要があります。例えば、以下のようなフローチャートを作成することで、オペレーターの対応品質を均一化できます。
1. 顧客からの電話を受ける
2. 顧客情報を確認する
3. 問い合わせ内容をヒアリング
4. FAQデータベースを参照(→ 解決可能なら回答へ)
5. 解決できない場合は上司にエスカレーション
メリット
• 誰が対応しても一定の品質を維持できる
• 業務の属人化を防ぎ、スムーズな引き継ぎが可能
• 新人教育の時間を短縮できる
(2)業務改善とボトルネックの発見
業務プロセスを可視化すると、無駄な工程や非効率な部分を発見しやすくなります。これにより、業務の改善につなげることが可能です。
活用例:受発注業務の見直し
ECサイトを運営する企業では、受注から発送までのプロセスが複雑になりがちです。例えば、以下のようなフローチャートを作成し、どこに問題があるかを分析します。
1. 注文受付
2. 在庫確認(→ 在庫なしの場合は発注手続きへ)
3. 商品のピッキング
4. 梱包・ラベル貼付
5. 配送業者へ引き渡し
メリット
• 無駄な工程を削減し、業務効率を向上
• ボトルネックを発見し、作業遅延の原因を特定
• コスト削減や納期短縮につながる
(3)意思決定のサポート
フローチャートは、複雑な判断を伴う業務にも役立ちます。条件分岐を明確にすることで、適切な意思決定を促すことができます。
活用例:営業の顧客対応フロー
営業担当者が顧客対応をする際に、どのようなアクションを取るべきかをフローチャートで整理します。
1. 顧客からの問い合わせを受ける
2. 既存顧客か新規顧客かを判断
3. 新規顧客の場合、ヒアリングを実施
4. ヒアリング結果に基づき、最適な商品・サービスを提案
5. 見積書を作成し、契約締結へ
メリット
• 経験の少ない営業担当者でも適切な対応が可能
• 顧客ごとの対応を統一し、営業の属人化を防ぐ
• 商談の成功率向上
(4)プロジェクト管理とタスク管理
フローチャートは、プロジェクトの進行管理やタスクの整理にも有効です。
活用例:新製品開発のプロセス
新製品開発において、以下のようなフローチャートを作成することで、各工程の流れを明確にします。
1. アイデアの企画
2. 市場調査
3. 試作品の開発
4. テストマーケティング
5. 量産化と販売開始
メリット
• 各タスクの進捗を可視化し、スケジュール管理を容易にする
• 責任者を明確にし、プロジェクトの遅延を防ぐ
• 関係者間の情報共有をスムーズにする
3. フローチャートを活用するメリット
(1)業務の可視化と理解の促進
フローチャートを用いることで、業務の流れを一目で理解でき、関係者全員が同じ認識を持てるようになります。
(2)業務の標準化と品質向上
手順を統一することで、誰が実施しても一定の品質を維持できるようになり、業務の属人化を防げます。
(3)業務の効率化とコスト削減
無駄な工程を排除し、ボトルネックを特定することで、コスト削減や作業時間の短縮につながります。
(4)ミスの防止とリスク管理
業務フローが明確になることで、作業ミスを減らし、リスクを最小限に抑えることができます。
4. まとめ
フローチャートは、業務の可視化、標準化、効率化、リスク管理など、さまざまな面でビジネスの課題解決に貢献するツールです。業種や業務内容を問わず、多くの企業で活用できるため、自社の業務改善に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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