Date:2024.12.07
みなさん、こんにちは。今回のコラムのテーマは「KJ法」です。
KJ法と言うと、「ブレスト」の際によく使ってるよ!という方も多いと思います。
実際、ブレストもKJ法もどちらもアイデアを生み出し整理する方法ですが、目的や手順が異なり、補完的に使うことができます。
具体的には、ブレストでアイデアを「生み出し」、KJ法で「まとめる」という役割分担ですね。
KJ法は、アイデアを整理し、本質的な課題を浮かび上がらせるための手法であり、特に問題解決や新しいアイデアを発掘する際に非常に有効です。
業務改善やプロジェクトの計画立案など、ビジネスのあらゆる場面で応用できるため、ぜひ活用していただきたい技法ですね。
KJ法の基本概要
日本人がは開発した?
KJ法は、なんと文化人類学者である川喜田二郎氏によって開発された手法で、「KJ」は川喜田さんのイニシャルだったのです。なんかカッコいいですね。
KJ法の流れ
KJ法は以下のステップで実施します。
1. 情報やアイデアをカードに書き出す
まず、会議やブレインストーミングで集めた情報や意見を1枚ずつカードに記載します。
2. カードをグループ化する
カードを見比べて、類似した内容や関連性があるものをまとめます。これにより、関連する情報が自然にグループ化されます。
3. グループごとにタイトルを付ける
各グループの共通点や本質を短い言葉で表現し、タイトルを付けます。これにより、全体像がわかりやすくなります。
4. さらに整理して結論を導く
タイトルを軸に構造化し、全体を俯瞰して問題の本質や解決策を明確にします。
KJ法の魅力と有効性
KJ法の大きな魅力は、「情報のカオス状態を整理し、構造化できる点」です。特に以下のような場面で役立ちます。
• 複雑な問題を分解する
大量の情報を視覚的に整理し、優先順位や関係性を把握することができます。
• 多様な意見を反映する
グループワークで実施すれば、全員の意見を集約し、偏りなく議論を進められます。
• 直感や創造性を活かせる
情報を感覚的に整理するプロセスの中で、従来の枠を超えた新しい発想が生まれることも多々あります。
KJ法の業務への応用例
1. プロジェクト管理や戦略立案
KJ法を使えば、プロジェクトにおける課題やリスクを整理し、最適な対策を立案できます。また、マーケティング戦略や新規事業の企画立案にもよく活用されます。
2. ISOやHACCPへの応用
ISO22000やFSSC、HACCPでは、リスクや改善策を洗い出し、文書化するプロセスが必要です。この際、KJ法を使えば、現場の情報を体系的に整理し、リスクと対応策の漏れを防ぐことができます。
たとえば、HACCPの重要管理点(CCP)を設定するために、被害要因分析をする際など、現場の意見やデータをKJ法で整理すると、効率的かつ的確に検討を進められます。また、労働安全上のリスク分析や環境アセスメントなどの際にも、現場の意見やデータをKJ法で整理することが有効です。
3. 業務改善や問題解決
部門間の課題や業務フローの問題点を洗い出し、解決策を導き出す場面でもKJ法は有効です。情報が多岐にわたる場合でも、KJ法で整理することで根本原因にたどり着きやすくなります。
KJ法を実践するためのポイント
1. 自由な発想を大切にする
最初のカード記載段階では、正解を求めず自由に書き出すことが重要です。
2. グループ化は直感を重視する
「理屈より感覚」を意識し、柔軟に分類してください。
3. まとめすぎない
無理に結論を出そうとせず、情報を整理すること自体を目的とする場面でも有効です。
まとめ
KJ法は、情報整理と課題解決のための非常にシンプルかつ強力なツールです。ISOやHACCPをはじめとする規格対応や業務改善の場面でも応用でき、組織の生産性向上に大いに貢献します。
特に、複雑な問題を抱える中小企業や、多くの意見を取りまとめる必要があるチームにとって、KJ法はとても有効な選択肢となります。
「多くの情報をどう整理すれば良いかわからない」と感じたときは、ぜひKJ法を活用してみてください。
課題やアイデア見える化し、業務効率化や新たなアイデア創出の第一歩となるはずです。
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