Date:2024.11.09
みなさんこんにちは。今回のコラムは、SWOT分析です。
SWOT分析は、ISOの参考書などで「リスクと機会」の分析への活用例として紹介されていたりするので、馴染みのある方も多いんじゃないですかね?
企業が競争力を維持するためには、内部環境と外部環境を理解する必要がありますよね。これを実現するために有効な手法が「SWOT分析」です。SWOT分析は、企業の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を明確にすることで、戦略を見極め、企業の成長に活かしていくためのツールです。3C分析やPEST分析と同様、経営戦略の基礎であり、事業の方向性を決めるために多くの企業で活用されています。
SWOT分析は、企業の「強み」「弱み」「機会」「脅威」を次のように分類して分析します
1. 強み(Strengths)
自社が市場で競争優位を発揮できる要素です。たとえば、高い技術力やブランド力、優れた顧客サービスなど、他社と比較して優位性がある点を特定します。
2. 弱み(Weaknesses)
競争上の不利になる可能性がある要素です。たとえば、資金不足やリソースの不足、マーケティングの弱さなど、内部環境における課題を明確にします。
3. 機会(Opportunities)
自社が成長できる外部環境の変化です。市場の成長、技術革新、消費者トレンドの変化など、今後の事業発展に寄与する可能性のある外部のポジティブな要因を探ります。
4. 脅威(Threats)
事業に悪影響を及ぼす可能性がある外部の要因です。競合の増加、法規制の変更、経済の不安定化など、リスクとして管理が必要な要素を把握します。
このように、SWOT分析は「強み・弱み」のような内部要因と「機会・脅威」のような外部要因に分けて整理し分析することで、企業が何を強化し、何に注意を払うべきかを見極めやすくできます。
◼︎3C分析やPEST分析との違い
前回解説した3C分析、PEST分析も、SWOT分析と同様に経営環境の分析に役立つフレームワークですが、分析の目的や視点が異なります。
• PEST分析は、主に外部環境の政治・経済・社会・技術要因を俯瞰的に把握するためのものです。
• 3C分析は、顧客・競合・自社の視点から市場環境を捉え、自社の競争優位性を検討するものです。
• SWOT分析は、内部と外部の要因を組み合わせ、企業の現在の状況に応じた具体的な戦略の方向性を明確にするために使います。
つまり、PEST分析と3C分析で得られた情報を、SWOT分析で具体的な戦略として整理するといった活用方法がお勧めです。
◼︎ISO 22000の「組織及びその状況の理解」への応用
ISO 22000の食品安全マネジメントシステムにおける要求事項「組織及びその状況の理解」では、企業は自社が置かれた環境を分析し、リスクと機会を明確にしてマネジメントするよう求められています。まさに、SWOT分析はこの要求にマッチしたフレームワークですね。
たとえば食品製造業であれば、下記のような例が考えられます。
・強みとしての品質管理能力
・弱みとしての人手不足
・機会としての市場拡大
・脅威としての法規制の強化など。
ISO 22000のリスクと機会の要件を満たすための対策を計画できます。
下図:SWOT分析の例
◼︎SWOT分析を活用するポイント
1. 事実に基づいた情報収集
内部と外部環境のデータを収集し、主観的な判断を避けることが重要です。データに基づいて冷静に自社の強みと弱みを見極めます。
2. 定期的な見直し
企業を取り巻く環境は絶えず変化するため、定期的な見直しと更新が必要です。特に外部要因は変化しやすく、機会や脅威も時間の経過とともに変わることが多いため、柔軟に対応できるようにします。
3. 戦略と目標への反映
SWOT分析から得た結論をもとに、戦略を考え目標値やアクションプランを策定します。
例えば食品安全であれば下記のような戦略が考えられますね。
食品安全戦略の例)
短期戦略
中期戦略
長期戦略
◼︎まとめ
SWOT分析は、企業やプロジェクトの現状や戦略を評価するためのフレームワークで、Strengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)Threats(脅威)の4つの要素で構成されています。
SWOT分析を行うことで、内部の強みを最大限に活かし、弱点を補うための戦略や対応策を立てることができます。また、SWOT分析は、ISOの「リスクと機会」を管理するための効果的な手法です。内部と外部要因の評価により、ISO規格の求めるリスクの軽減と機会の最大化を図り、企業の戦略をより具体的にし、目標達成に向けた土台を築くことができます。
もっと詳しい情報をご希望の方は、下リンクから、お問い合わせください。
ご質問への回答は無料です。
https://yamada-co.com/contact/
※ 同業他社様からのお申し込みは対象外となりますので、あらかじめご了承ください。
※ 当サイトの情報を転載、複製、改変等は禁止いたします。
Copyright (C) 2020 Y&Kコンサルティング All Rights Reserved.