KADOKAWAグループがランサムウェアによる大規模なサイバー攻撃をうけたというニュースは本当に衝撃的でしたね。そもそもランサムウェアとは何か?超簡単に説明すると、システムやデータを暗号化し、復号のための身代金を要求する悪意のあるソフトウェアのことを指します。昔は身代金といえば誘拐などで人を人質にするのが一般的でしたが、今では電子化された情報が人質にされ身代金を要求される時代になりました。
近年、企業や個人を問わずランサムウェアの被害が急増しています。
ここでは、ランサムウェアによる代表的な被害事例と、感染対策について解説します。
ランサムウェアの被害例
1. WannaCry(2017年)
2017年5月に発生したWannaCryは、Windowsの脆弱性を悪用して世界中のコンピュータに感染しました。英国の国民保健サービス(NHS)を含む多くの組織が被害を受け、業務停止やデータの暗号化により大きな混乱を招きました。
2. NotPetya(2017年)
同年に発生したNotPetyaは、特にウクライナを中心に多くの企業や政府機関に甚大な被害をもたらしました。このランサムウェアは、データの復号が事実上不可能であり、実質的にデータ破壊を目的としていました。
3. Black Suit(KADOKAWAの被害)(2024年)
2024年6月、KADOKAWAグループはサイバー犯罪集団「Black Suit」による大規模なランサムウェア攻撃を受け、1.5TBのデータが暗号化されました。この攻撃により、ニコニコ動画を含む多くのサービスが一時停止し、外部サービスへのログイン不具合も発生しました。攻撃者はカドカワに対し、和解金を要求し、同社の経理機能や出版事業の復旧には1か月以上かかるとされています。カドカワはシステムの再構築やセキュリティ強化に取り組み、徐々にサービスの復旧を進めています 。
ランサムウェアの感染対策
1. 定期的なバックアップ
重要なデータを定期的にバックアップし、オフラインまたはクラウドストレージなど安全な場所に保管します。ランサムウェアに感染しても、バックアップからデータを復元することが可能です。
2. 最新のセキュリティパッチの適用
オペレーティングシステムやソフトウェアのセキュリティパッチを常に最新の状態に保つことで、既知の脆弱性を悪用した攻撃を防ぐことができます。WannaCryのような攻撃は、セキュリティパッチが適用されていれば防げたケースです。
3. ウイルス対策ソフトの導入と更新
信頼性の高いウイルス対策ソフトを導入し、定期的に更新とスキャンを行うことで、ランサムウェアを含むマルウェアの検出と除去が可能です。
4. フィッシング対策
ランサムウェアはフィッシングメールを通じて拡散することが多いです。疑わしいメールの添付ファイルやリンクを開かないようにし、送信者の正当性を確認することが重要です。従業員には、フィッシング対策のトレーニングを定期的に実施します。
5. ネットワークのセグメンテーション
ネットワークをセグメント化し、重要なデータやシステムを隔離することで、ランサムウェアがネットワーク全体に拡散するのを防ぎます。
6. 従業員の教育とトレーニング
従業員がランサムウェアのリスクを理解し、適切な対策を実行できるようにするための教育とトレーニングを実施します。セキュリティ意識の向上は、感染リスクを大幅に低減させます。
7. 異常な活動の監視
ネットワークやシステムの異常な活動を監視し、早期に発見・対処できる体制を整えます。疑わしい活動を検出した場合は、迅速に対応することが重要です。
8. ISMS/ISO27001の導入
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証取得は、組織の情報セキュリティ対策を体系的かつ継続的に強化します。これにより、サイバー攻撃に対する脆弱性が低減され、インシデント発生時の対応力も向上します。認証取得のプロセスでは、リスク評価や対策の実施、監視・改善が求められ、これが全体的なセキュリティ水準を高める結果に繋がります。
まとめ
ランサムウェアは個人や企業に甚大な被害をもたらす恐れがあります。しかし、適切な対策を講じることで、そのリスクを大幅に低減することが可能です。定期的なバックアップ、最新のセキュリティパッチの適用、ウイルス対策ソフトの導入、フィッシング対策、ネットワークのセグメンテーション、従業員の教育、そして異常な活動の監視を徹底することで、ランサムウェアからの被害を最小限に抑えましょう。
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